第6回「桃陰文化フォーラム」 正高信男先生

桃陰文化フォーラム事務局
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平成18年5月23日
第6回 桃陰文化フオーラム

創立110周年記念 卒業生による連続講演会
第6回 「桃陰文化フォーラム」報告

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5月13日(土)午前10時から第6回「桃陰文化フォーラム」ー正高信男先生による「ITと日本の世間」と題する講演会が開催されました。
 朝早く勤務地である犬山を出てこられたこと、天高時代、あまり勉強しなかったこと、当時習った先生のことから始まり、ケータイに象徴されるIT社会のもたらす不都合と世間の目や社会的評価を異常に気にする日本社会の病弊、欧米との比較、共同体の喪失によるヴァーチャルな世間づきあいの復活等、話題は多岐にわたり、鋭い分析と的確な批評性で現代日本社会の抱える問題点を明らかにしていただきました。
 当日はあいにく小雨模様でしたが、正高先生の自由闊達でユーモアあふれる語り口に引き込まれ、180名ほどの聴衆の誰もが満足してお帰りになるご様子でした。
 お忙しい中、熱弁をふるっていただいた正高信男先生にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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<参加者の感想>(抜粋)

・文化人類学を子どもが勉強したいと言っているので、何となくこういうようなことを勉強するのかなという感じがしました。とにかく、自分の中で割り切れないもやもやしたものが、そういうことだったかと、自分のことが理解できることがいくつもありました。やはり統計とか調査で解明するということはすごいなと思いました。文化的ショックを受けました。
・科学者であり、論理的に説明してくれたので分かりやすかった。それにとても面白かったので、話に引き込まれた。本も読んでみたいと思った。
・いろいろな世代共通の物事のとらえ方の基本が楽しく分かりました。「今の若いモンは…」のせりふもよく分かります。あっという間の2時間でした。ありがとうございました。
・先生のおっしゃる「ゆとり教育」をやめて、また再度つめこみしても同じようにはならないという意見に賛同しました。私が今まで大学まで行って一番印象に残ったのは、カエルの実験でした。もっと生物を社会に生かせるようになればいいと思いました。
・日本の中の人と人のつながり方を振り返ることができたと思います。地域社会のつながりがうすれて行く中、ITが普及することによって、それがますます加速されてゆくのかと不安になりました。しかしヴァーチャルよりリアル、機械より人にひかれるのが本来の人間だと思います。それをくずして行く一端をITが担っているのだとしたら、その関係の研究の方々にはもう一度人間を深く見据えていただきたいと思いました。
・「立て板に水」のごとく、マシンガンのように」いろいろな話が出てきて面白かったです。(歯に衣着せぬ話が特に)消費(賞味)期限の切れた人間にとっては、少々の充電ができたかなという感じでした。
・初めて眠くならなかった講演でした。とても面白かったです。でも学科の説明ももうちょっと聞きたかったです。勉強できないのは先生のせいにする!ということばはとてもよい言葉だと思いました。
・私は愛知県名古屋の出身でしたので、お話がその土地柄に及んだくだりでは、なるほどーとリアルに理解・同感でき楽しめました。肩肘はった講演ではなく気さくに本音を語ってくださったので、2時間もあっという間でした。有意義な休日となり、ありがとうございました。
・母校ということででしょうか、自由に楽にお話なさっているように思いました。著作物のエッセンスというふうに思いましたので「あとはちゃんと読んでください」ということですね。娘が他高校の大学受験生で京大の「総人」にあこがれていますが、帰ってどうアドヴァイスしようか、悩んでしまいました。ケータイ社会をもっと批判されるのかと思っていましたが、意外にも楽しんでいらっしゃる、未来にも楽観的?
・私はケータイを持っているので、興味を持って聞けました。先生の住んでいる所は想像もつきませんが、ちょっと行ってみたいと思いました。ケータイを悪用しないようにしようと思います。
・いろんな考えを聞けてよかった。最近、生き方や周りの人との接し方やふれあい方、自分のあり方が分からなかった。これで分かったわけではないが、そんな時に聞けてよかった。ちょっとゆっくり考えてみる。
・私も天高時代はどうしようもない点数を取ってきたが、何のはずみか、大学で教員として学生を指導する立場にあった時期があります。「勉強ができる人が研究に適しているとは言えない」…すごく共感しました。今年・息子が天高に入り、のんきにびっくりするような点を平気で取ってきて、時間がゆるせばTVゲームをしています。分かってはいても親としては…いやいや長い目で見ながらお金の工面ができる用意をしなくては…。正高先生のご両親も今までお金がかかったのでは?
・講演会の題名からとてもむずかしい内容かなと、ITなどあまり分からなかいので思っていましたが、とてもメリハリがあり、分かりやすく話してくださったので楽しくお話に引き込まれた1時間半でした。
・とても面白かったです。そこまで言っていいの?と思うような内容もあり、ナイショの話をお聞きした気分でした。
・昭和40年の卒業生です。校舎が新しくなっており、見違える重いです。「桃陰文化フォーラム」の成功、おめでとうございます。このフォーラムが末永く続くことをお祈りいたします。
・やっぱり自分は日本人だと痛感しました。人の顔を見ないと話ができない、不安になるからです。
・テレビ・ゲーム・ケータイ、各々の世代での違いのお話が大変面白かったです。なるほどと納得させられました。携帯世代のその後どうなるのか、楽しみです。ありがとうございました。
・楽しく話をしてくださったので、あっという間に1時間半が過ぎました。自分でも何となく感じていたことが、先生のお話で納得できたことが多くありました。子育てに関しても、自分の子どもが何だか自分とは違うと感じていたことが、生きてきた時代背景によるものでもあるのだなあと思いました。
・自分が思っていたことが具体的に頭の中で組立ちました。明日からの方向性が見えた気がします。ありがとうございました。
・子どもたちは当たり前のようにITにどっぷりはまっていますが、今日のお話のようにそういう状況を客観的に見つめる機会が必要だなあと思いました。これからの社会、どうなっていくのか?見つめなおさないと…。
・47歳の天高生の父親ですが、自分の考え方が間違っていないと自信がつきました。
・楽しい講演だった。ネット上での出会いとかで浅いつきあいが増えるというのは確かだと思いますが、今高校のクラブで出会った友だちとは一生深いつきあいになると思います。
・まさかあの河堀口が小説の舞台となっているとは思わなかった。「現代」をしっかりととらえた上での講演は圧巻であった。
・リアルの世界よりヴァーチャルの世界がいいと思う人がおたくだと言っておられて、私もどっちかというとそっちの人間やと思います。でもそれは単にリアルがいややっていうだけじゃなくて、いやなことがあったときの逃げ場としてヴァーチャルを必要としているんだと思います。人間は精神的に弱いのでリアルとは別に、ヴァーチャルの世界が必要なのだと思います。