第10回「桃陰文化フォーラム」 中島慎子先生

桃陰文化フォーラム事務局
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平成19年2月23日
第10回 桃陰文化フオーラム

第10回「桃陰文化フオーラム」 講演会

さる2月17日(土)の午後2時から、第10回「桃陰文化フォーラム」―『クラシック音楽の勧め~ヴァイオリンとチェロの響き』と題する中島 慎子さん(天高45期生)、山本 彩子さんによる演奏会が、たくさんの生徒・保護者・卒業生・一般参加者を迎え、天王寺高校多目的ホールで開催されました。(当日は大阪日日新聞の取材も入り、近日中に写真入りで掲載される予定です。)
朝から残念ながら曇り空、とうとう昼過ぎから小雨が降り出し参加者の出足が心配されましたが、文化フォーラム始まって以来という240名ほどの参加をいただきました。

中島さんは学校からの出演依頼の直後からいろいろプランを練ってくださり、演奏曲目上のさまざまな工夫や、これまでクラシックにそれほど親しんでいない高校生でも興味・関心がわくように、途中のお話でプログラムの特色や作曲家のエピソードなどの紹介を交えてくださいました。そのおかげで、日ごろのクラシック・コンサートとはまた一味違うアト・ホームなものにしていただいたと感謝しております。
ご演奏は、過日の読売新聞でのリサイタル評にあったごとくまさに「精緻、玄妙、魔法の響き」であり、「作品のどんな要求にも的確に応え、作品にすべてを語らせる」(大久保 賢氏)ものであったように思います。中島さん、山本さん、2時間を越える熱演、本当にありがとうございました。

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2007年2月17日(土) 中島慎子 天王寺高校 講演&リサイタル プログラム

J.S.バッハ : ソナタ第一番 BWV1001

1 Adagio
2 Fuga Allegro
3 Sichiliana
4 Presto

B.バルトーク : 無伴奏ヴァイオリン ソナタ

1 Tempo di ciaccona
2 Fuga
3 Melodia
4 Presto

M・ラヴェル ; ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

1 Alleglo
2 Tres viv
3 Lent
4 Vif, avec entrain

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<参加者の声>


  • クラシック音楽の勧め、説明と演奏が分かりやすく論理性に富み、よい勉強になりました。これを機会にクラシックを堪能し、人生を楽しく生きることを目指したいと思う。謝々。
  • 演奏はよかったと思います。トークはよく知っていることを紙など見ないでお話したほうがいいと思いました。オーケストラとの共演の話など、聞かせていただきたかったです。
  • クラシックの音の深さを改めて考えさせられた。ただ単に世界共通でBGMとして癒しとしていては申し訳ない感じ。特に数列・黄金分割のお話は興味深くそれを感じながら演奏を拝聴しました。学業との両立をなさったことにただならぬ精神力を感じます。さぞ努力なさったことでしょう。時間が許されるなら、興味ある楽典を聞かせていただきたかった。
  • ヴァイオリンとチェロの生公演は初めて聴きましたが、たいへんよかったと思います。これからも「桃陰文化フォーラム」を楽しみにしております。
  • トークが長すぎました。よい話ではありましたが、気分がみだれてきてしまいました。もっと音楽を聞かせてほしかったです。
  • スコアが全体として指揮者と団員の体の中に入る話を、桐朋卒のRumanic・神奈川の中島指揮者により2月15日に聞きました。本日のなかじまさんの文学書の話と似ていると思いました。演奏には大いに満足、選曲もよい。
  • 経歴を読ませていただくとすごく多方面で活躍されていて、まず驚きました。実際の中島さんはとてもかわいらしく気さくでした。音楽が大好きで一生かかって楽しめ、かつ一生かかって追求できるものに出会われて、輝いておられる様でした。娘も音楽が好きで、興味がつきない毎日です。プロの道へ進めるのは、わずかな人なのでしょうが、中島さんのように一生愛せる何かを見つけてくれればと思いました。
  • すばらしい演奏でした。いろいろな音色をとても気持ちよく聞かせていただきました。かわいいお話もよかったです。ありがとうございました。
  • クラシック、演劇、美術等ひもといていくとおくが深く、隠された意味を理解するのも難解ですがおもしろいですね。
  • きれいな音色でした。心地がとてもよかったです。
  • バロック音楽と現代音楽がかけ離れたように思われるが、実は隣接したものと思われます。説明を聞いてからとても充実した演奏を聴くことができてよかった。ヴァイオリンの仕組みも興味深かったです。とても楽しく、勉強になりました。
  • すごく本格的なものを聞けてよかったです。
  • 前後のいすの間隔が狭かった。演奏が大変すばらしかった。
  • すてきな演奏を聞かせていただいてありがとうございました。一生懸命魅力を私たちに伝えてくださろうとしておられたことにとても感銘しました。とても意味深いことが隠されていることを知り、本当によかったです。
  • こんなに身辺で生の音楽が聴けて幸福なひと時でした。家でCDなどで聞いていますが、生の音はやさしくて激しくて感動が伝わります。バッハや音楽家のことも話していただき、
  • 今後この曲を聴くことも深まるようです。感動を伝える音楽はすばらしいです。
  • ナマの弦の演奏、聞かせていただき感謝しています。ありがとうございました。選曲は人の好き好き、一概には申せませんが一般の素人にはもう少し、ポピュラーな曲でよかったのでは?次回、こうした企画、また待っています。
  • 音楽に対する熱い思いが伝わってきました。音楽に関して詳しくはないので、よく分からない用語もありましたが、とても面白く興味がわきました。
  • ヴァイオリンをこうして生で聴くのは初めてです。いろいろな表情があるのですね。バッハとバルトークの違いがすごく分かりました。私はバルトークの方が面白く、変化があって好きでした。チェロとの二重奏もとてもよかったです。
  • クラシック音楽と数学がつながっているなんて驚きでした。作曲家っていろんなメッセージや遊び(音程の頭文字を取ると名前になるなんて)を曲に取り入れていたのですね。ちょっと目からウロコかも。そんなことにも思いをはせながら曲を聴くのも楽しいですね。たどたどしく(失礼)一生懸命に伝えようとするお姿にとても応援したくなりました。演奏のときとトークのときの表情の違いも驚きでした。全曲ソナタなのに、本当に曲の雰囲気が違うのですね。作曲者、時代背景など、さまざまなことが曲に表現されていることを知ることができよかったです。
  • ふだんあまりヴァイオリンの生演奏を聴く機会がなかったが、やはりクラシックの技巧はすごかった。指板の指使いが非常に細かく繊細で、大変感動した。しかし、あまりに規格化された感があり、芸術としてはすばらしいのだが、音楽の底の深さという点においては、やはりクラシックは限界があると思う。本当に奥の深い音楽を聴こうとしたら、高田渡・遠藤憲司・友川かずき・三上寛(特に高田渡)を必ず聞かねばならない。人間の生を遥かにこえた深遠なフォークです。


第10回 桃陰文化フォーラム 実施要項

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卒業生・近隣の方々へ


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第10回「桃陰文化フオーラム」 講演会<クラシック音楽の勧め~ヴァイオリンとチェロの響き>
~ ミニコンサート&トーク ~


◇ヴァイオリン:中島 慎子(ちかこ) 先生

大阪府出身。3歳よりヴァイオリンを始める。大阪府立天王寺高等学校(高45期)を経て桐朋学園大学を卒業。これまでに、横山和弘、故小国英樹、小栗まち絵、原田幸一郎の各氏に師事。1998年よりオランダに留学し、H.クレッバース氏に師事。I.スターン、P.ズッカーマン、D.ディレイ、S.ブロン、R.クスマウル各氏をはじめ、数多くのマスタークラスにてレッスンを受ける。



  • 1991年 第60回日本音楽コンクール入選。
  • 1992年 ABCフレッシュコンサートに出演、同オーディションに合格を受け
  • 1993年 外山雄三指揮 / 大阪フィルと協演。 
           第62回日本音楽コンクール第2位入賞。
  • 1995年 在学中、皇后陛下の基金により、震災救援の演奏会に、朝比奈隆指揮 /
    大阪フィルと協演。
  • 1996年 第2回ストラディヴァリウスコンクール第2位入賞。
  • 1997年 大阪フィル創立50周年記念定期公演で、大栗裕のヴァイオリン協奏曲を外山雄三指揮 / 大阪フィルと協演。
  • 2000年 第5回ストラディヴァリウスコンクール優勝。
      フォーバルファンデーションより、1697年製ストラディヴァリウス・レインヴィルを2年間無償貸与されていた。


ソリストとして、朝比奈隆、外山雄三、小林研一郎、手塚幸紀、ゲルハルト・ボッセ各氏を初めとする多数の指揮者、オケと協演するほか、サイトウ・キネン・オーケストラ、イシハラリリックアンサンブル、いずみシンフォニエッタ大阪等のメンバーを務める。NHK-FMリサイタルをはじめNHK-BSなどにも出演。
大垣音楽祭、倉敷音楽祭、沖縄国際音楽祭、宮崎国際室内楽音楽祭、木曾音楽祭、オホーツク音楽祭in紋別など、各地の音楽祭に多数参加。
古楽器フォルテピアノやチェンバロとのコンサートなども行う。
現在はリサイタルの演奏を中心に積極的に活動を広げている。特に2002年より続くピアニスト加藤洋之とのデュオは大好評を博し、2004年11月・いずみホールでのリサイタルは平成16年度大阪文化祭・文化祭賞を受賞した。平成16年度咲くやこの花賞を受賞。